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三重県鈴鹿市は江戸時代から現在も「染め型」の本場。内田勲さんは伊勢型彫り師のひとりで「突き彫り」の第一人者である。無骨な手先はザクッ、ザクッと迷うことなくリズミカルに微細な文様を切り込む。型紙は美濃和紙を3枚、柿渋で貼り合わせ、燻(いぶ)しをしてから1年以上乾燥させて渋(しぶ)を枯らす。手間と時間がかかる日本独自の台紙であり、薄い紙なのに耐水性が強く、伸縮せず、丁寧に使えば数千回の染めに耐えられるほど堅牢だ。型彫りの道具、小刀はそれぞれの職人さんたちが自分で作る。型を彫る時は型紙を六枚ほど重ねるので、小刀は専用の小さな砥石でこまめに研ぐ。根気と集中力、まして、高度な技術が必要だ。
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