4月号
装丁家 熊谷 博人 Kumagai Hiroto
町人美意識のエッセンス

2015/04/03 18:34

 三重県鈴鹿市は江戸時代から現在も「染め型」の本場。内田勲さんは伊勢型彫り師のひとりで「突き彫り」の第一人者である。無骨な手先はザクッ、ザクッと迷うことなくリズミカルに微細な文様を切り込む。型紙は美濃和紙を3枚、柿渋で貼り合わせ、燻(いぶ)しをしてから1年以上乾燥させて渋(しぶ)を枯らす。手間と時間がかかる日本独自の台紙であり、薄い紙なのに耐水性が強く、伸縮せず、丁寧に使えば数千回の染めに耐えられるほど堅牢だ。型彫りの道具、小刀はそれぞれの職人さんたちが自分で作る。型を彫る時は型紙を六枚ほど重ねるので、小刀は専用の小さな砥石でこまめに研ぐ。根気と集中力、まして、高度な技術が必要だ。

あわせて読みたい

  • 優しい光で癒される…京の職人が手彫りで作る“吉祥文様ランプ”

    優しい光で癒される…京の職人が手彫りで作る“吉祥文様ランプ”

    週刊朝日

    7/25

    「加賀友禅(かがゆうぜん)」…金沢で「和の美」を堪能する

    「加賀友禅(かがゆうぜん)」…金沢で「和の美」を堪能する

    tenki.jp

    3/14

  • 中田英寿 つなぐ 福岡、GALA その1

    中田英寿 つなぐ 福岡、GALA その1

    8/28

    第18回 正直なモノヅクリ

    第18回 正直なモノヅクリ

    7/29

  • 第40回 さまざまな染物

    第40回 さまざまな染物

    5/25

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す