また、佳子さまと言えば"美しすぎる皇族"として大人気、ネット上に「佳子さま萌え」を自認する熱烈なファンも多数見受けられます。まさにアイドルのような人気ぶりです。ただ、仮にも内親王殿下に対して、そのようなファン目線を送るなんて「畏れ多い」「不敬だ」と思われる方もいるかもしれません。しかし、皇族方をアイドル扱いするのは、今に始まったことではありません。



 本書『宮家の時代 セピア色の皇室アルバム』の鹿島茂さんによれば、戦前の庶民は、まるでアイドルに憧れるように、皇室の方々が掲載された雑誌に夢中になっていたそうです。着物が当たり前だった時代に、いち早く最先端の洋装を取り入れた皇族方は、今で言うなら"超セレブ"。雲の上の存在と言うよりは、ファッションリーダーのように注目され、また皇族方も庶民の熱視線に応えようと写真撮影に応じていた様子が、当時の『皇族画報』や『皇室御写真帖』といった雑誌からうかがえます。



 その他にも、皇族の方々は、テニス、ゴルフ、スキーなどのスポーツもヨーロッパから率先して取り入れられ、日本での普及に貢献されました。明治政府の提唱した西洋文化の導入にあたり、まさに牽引役を果たされたのです。昭和初期まで存在した宮家13家すべてを網羅した本書で、知られざる元祖「アイドル皇族」をご覧になってみてはいかがでしょうか。