かつては花嫁修業を経た新妻が、姑から教わるものであった"料理"。人気料理研究家の書籍や、テレビのクッキング番組で、料理を学んだのも今は昔。いまや料理は、クッキングスタジオで習い事感覚で学べ、クックパッドをはじめとする料理レシピサイト、素人の料理ブロガーから教わる時代となりました。



書店には、"レシピブログ"発の料理本が数多く並んでいます。Farmer's KEIKOさんによるレシピシリーズ『農家の台所』も、大人気ブログがもとになったレシピ本です。



同名のブログ「Farmer's KEIKO 農家の台所」は、月間470万アクセスを誇り、複数のランキングで1位に入る人気ブログです。元ビジネスウーマンのKEIKOさんは、長年の会社員生活を経た後、旦那さんとともに夢であった専業農家に転身しました。京都の山間部で農家を始めて、はや10年。自らのブログを通じて、近所の農家直伝のレシピや、規格外で出荷できない野菜の美味しい食べ方、忙しい時期に手際よく作れる簡単料理などを紹介しています。



はじめてのレシピ集『Farmer's KEIKO農家の台所』は、KEIKOさんの10年にも及ぶノウハウと知恵を凝縮した1冊。出荷することができないきゅうりを使った「農家のキュウちゃん漬け」や、農作業の疲れを吹き飛ばす「赤じそジュース」、酒と塩のみで味付ける「さつまいもご飯」などのイチおしレシピを紹介しています。「ほうれん草と牛肉の炒めもの」や「小松菜とちくわの煮びたし」など、10分以内で調理できるスピードおかずも魅力的です。



前作からわずか1年で、発表となった第2弾が『Farmer's KEIKO農家の台所2〜野菜たっぷり 簡単おばんざい〜』です。1冊目で反響を呼んだ5種類の自家製万能調味料は、2冊目でも健在。「だしポン酢」とマヨネーズをあえるだけで作れる「きゅうりとエリンギのマヨポンあえ」や、かけるだけで味付けができる「蒸し野菜の中華じょうゆがけ」など、時間的にも体力的にも料理に手間をかけられない際に大活躍します。



煮る、焼く、炒める、蒸す、ゆでるなど、様々な調理法で楽しめる食材が、じゃがいもです。KEIKOさんは、肉じゃがより簡単に出来るシンプルな料理「じゃがいもと鶏肉のうま煮」を紹介。鶏肉のうまみがじゃがいもに染み込んでいるので、白ご飯が進むそうです。また、カリカリでもちもちとした食感を味わいたい時は、つなぎに片栗粉を使った「もっちり焼き」がおすすめ。ビールのおつまみや、おやつにも重宝します。



野菜1種類だけでもおかずになる京都の家庭料理「おばんざい」、あと1品という時に役立つ自家製の漬けものや、サッと作れる野菜のご飯と汁ものなど、農家ならではの知恵がふんだんに紹介されている本書。野菜本来の生かしながらも、簡単で手早く作れるレシピの数々は、食卓を美味しく彩りそうです。