8月10日(土)〜8月12日(月)の日程で、東京ビックサイトで開催されているコミックマーケット84。昨年は、3日間でなんと56万人を動員。イスラムの聖地・メッカの巡礼に続いて世界2番目の動員数を誇るとされるビッグイベントだ。



 ちなみに鳥取県の人口は58万人ほど。つまり、東京ビックサイトに鳥取県の全県民が集まるレベルだ。それだけの人が1ケ所に集まるとなると...当然、行列の待ち時間はすごい事になる。



 そんなコミケ参加者から熱い視線を集めている本がある。コミケに先駆けた8月8日に、2冊同時発売された伊集院光の新刊『ファミ通と僕1998-2000』と『ファミ通と僕2000-2002』だ。



 Twitter上でも「予想以上に面白そうだからコミケの待機列で読む事にした」などの声が散見されるものの、「伊集院光のファミ通と僕本屋五つめぐってやっと買えた。どこも売り切れでワロタwww」「『ファミ通と僕』Amazonでも売り切れかよ!」と、悲痛な叫びもあちこちから聞こえている。



 中身は「週刊ファミ通」の連載「伊集院光 接近につきゲーム警報発令中」でのエッセイをまとめあげ、本人が本文を改訂&加筆したもの。更には、「2013年メモ」として直近の伊集院氏の文章が添えられた、2度オイシイ内容となっている。



 第一巻は、「パワプロ」こと野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」の話が多い。その他にも「ゼルダの伝説」「風来のシレン」「ビートマニア」、果ては「モーニング娘。」まで、懐かしい名前が続く。タイトルゆえに一見、ゲーム好きに偏った本のようにも見えるが、話術に定評のある伊集院氏の著書だけあって、ゲームが全く分からない人にとっても、読み物として面白い構成になっている。もちろん、当時のゲームを知っている読者にとっては、より楽しめる事だろう。ゲーム画面の写真や、伊集院氏をゲームのキャラクターに仕立て上げたドット絵などの挿絵も面白い。

 

 ファミコン30周年の今年、昔のゲームや流行を懐かしみつつ、伊集院光ワールドにどっぷりつかってみてはいかがだろうか。



「帰省のお供に、避暑の暇つぶしに、読書感想文に、向かない本です。よろしければ。」(本人談)