初日を前に、團十郎は「歌舞伎を観るのが初めてのお客様にも存分に楽しんでいただける作品ができたと信じております。本作を通じて『源平布引滝』の魅力を再発見していただけたら幸甚です」とコメント。

琵琶湖に浮かぶ御座船の舳先に登場、実盛の姿で襲名口上を述べる市川團十郎[序幕・第三場・湖水御座船の場]。(写真・松永卓也/写真映像部)
琵琶湖に浮かぶ御座船の舳先に登場、実盛の姿で襲名口上を述べる市川團十郎[序幕・第三場・湖水御座船の場]。(写真・松永卓也/写真映像部)

一方の宮舘は、「お話をいただいてから初日を迎えるにあたり、沢山の方々から愛の溢れるご指導をいただきました。Snow Manとして毎年新橋演舞場に立たせていただいておりますが、今回は宮舘涼太として舞台に立ち、皆様に生き様、幸せ、歌舞伎の魅力、表現できる喜びを感じながら演じていきたいと思います」とその気持ちを語った。

宮舘は昨年6月、本誌の取材で、30代を前にやっておきたい夢として「歌舞伎の世界に触れる」と語り、その理由に2019年の「SANEMORI」出演を挙げ、「滝沢歌舞伎もすごく練習するんですけど、また違うものに出演させていただいたことで、本当に刺激になって」「やった人にしかわからないものなんでしょうけど、もっとその先に、っていう思いが芽生えました」と明かしていた。

 今年3月に30歳の誕生日を控える宮舘が、20代で叶えた大舞台。1月27日までの全32公演。目も耳も全開で楽しみたい。

 本記事で紹介しきれないこの公開通し稽古の写真は、1月24日発売の「週刊朝日」2月3日号への掲載を予定している。

母の敵として自分を討とうとする太郎吉を諭し、成人後には今の姿のまま立派に討たれようと約束をする実盛(市川團十郎)。馬の背に太郎吉を乗せ慈しむ表情に、父親としての姿が垣間見えるよう[二幕目・九郎助住家の場]。(写真・松永卓也/写真映像部)
母の敵として自分を討とうとする太郎吉を諭し、成人後には今の姿のまま立派に討たれようと約束をする実盛(市川團十郎)。馬の背に太郎吉を乗せ慈しむ表情に、父親としての姿が垣間見えるよう[二幕目・九郎助住家の場]。(写真・松永卓也/写真映像部)

(伏見美雪・編集部)