チェッカーズ、中森明菜、荻野目洋子、稲垣潤一、杉山清貴、中西圭三……1981年のシャネルズ(83年にラッツ&スターに改名)の「星屑のダンス・ホール」以降、名だたるアーティストの楽曲の歌詞を手掛け、数々の大ヒットを生み出し続けてきた作詞家の売野雅勇さん。
そんな売野さんの作詞家生活40周年を記念したコンサート『MIND CIRCUS SPECIAL SHOW「それでも、世界は、美しい」』が、7月15日に東京国際フォーラム ホールAで開催される。
麻倉未稀、稲垣潤一、荻野目洋子、さかいゆう、杉山清貴、東京パフォーマンスドール、中西圭三、中村雅俊、藤井フミヤ、森口博子、山内惠介……売野さんが手がけた数々のヒット曲を歌ったアーティストたちが一堂に介し、全曲売野さんの手による曲を披露する、「豪華すぎる」コンサートだ。売野さんはこう語る。
「ここで歌われるのは全曲ヒット曲、知っている人がどんどん出てきて、自分の思い出の曲を歌ってくれる。知らない曲はほとんどないはずだから、新しいアルバムのプロモーションでやる普通のアーティストのコンサートのように、途中で知らない曲がはさまれてたるむことがない(笑)。飽きることなく時間を忘れるものになると思います」
売野さんの代表曲のひとつ、チェッカーズの「涙のリクエスト」(84年)は、「あっという間、1時間45分で書けた曲なんです」と語る。
「映画の『アメリカン・グラフィティ』に登場するラジオDJのウルフマン・ジャックのイメージがスッと出てきたんです」
なぜすぐにウルフマン・ジャックが思い浮かんだのかというと……
「その前日に、稲垣潤一の『夏のクラクション』(83 年)を書いていたからなんですよね」
夏の終わりのせつないラブソング。売野さんが、この2曲の名曲の繋がりを明かす。
「『夏のクラクション』というタイトルだけ先に決めていました。それで、何が『夏のクラクション』なんだろう……と考えるうちに思い浮かんだのが、『アメリカン・グラフィティ』のラストシーンでした」