インド最大の都市ムンバイの通勤の様子(AP/アフロ)
インド最大の都市ムンバイの通勤の様子(AP/アフロ)

 人口減少幅が毎年拡大している日本に対し、諸外国は一体どうなのか。

【図表】日本人が“絶滅危惧種”に!? 2100年における世界の人口トップ10の予想はこちら

 野村総合研究所がまとめた「NRI未来年表2023~2100」などによると、昨年末の中国の総人口は前年比85万人減り、約14億1千万人となり61年ぶりに減少に転じた。一方、インドは14億1200万人となり、中国を抜き世界1位に。25年には生産年齢人口(15~64歳)でも中国を抜き世界1位になるなど、中印の存在感が逆転する。

 世界人口は20世紀に入り急増。1960年に30億人だったが、87年には50億人、2011年には70億人を突破し、昨年11月に80億人に達したとみられている。

 野村総研の調査によれば、30年には世界人口は85億人に到達。42年には世界の新生児数が1億3800万人とピークに達する。58年には、ついに世界の人口が100億人に到達。86年に世界人口は104億人のピークに達し、減少に転じる。

 こうした予測について、亜細亜大学アジア研究所の大泉啓一郎教授はこう警告する。

「人口増により食料や水、エネルギーといった生活に欠かせない資源の不足を招く恐れがあります。80億人の現在でも数多くの貧しい人々が存在するのに、100億人になれば、ますます環境が悪くなる。どう食い止めるか真剣に考えたほうがいい」

 世界の人口のバランスも今とは大きく変わる。国連の推計によれば、21世紀前半に起きる最大の変化は、人口集積地が東アジア・東南アジアから西へと移動すること。50年までに大きな人口の伸びを見せるのは、サハラ砂漠より南に位置するアフリカの国々だ。

 今から27年後の50年の推計人口ランキングをみると、1位インド(16億6800万人)、2位中国(13億1700万人)、3位米国(3億7500万人)、4位ナイジェリア(3億7500万人)、5位パキスタン(3億6600万人)、6位インドネシア(3億1700万人)、7位ブラジル(2億3100万人)、8位コンゴ民主共和国(2億1500万人)、9位エチオピア(2億1300万人)、10位バングラデシュ(2億400万人)──という順になっている。

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