電気代の高騰が家計を圧迫する
電気代の高騰が家計を圧迫する

 物価高が止まらない。電気料金や食品価格などの値上げは今後も続く見通しだ。家計はますます苦しくなるばかりだ。だが、手をこまぬいているだけではいけない。“乗り切る”術を専門家に聞いた。

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「電気代たっか!!!」

 タレントの上原さくらさん(45)は、1月18日のブログにこう書き込んだ。「電気代の請求書を見て、夫と一緒に驚くというか…恐怖に近い感情を持ちました」

 上原さん宅の電気料金は、1年前に比べて1.3~1.4倍に上がったという。ガス代とも合わせると約5万円。上原さんは取材に「暖房機の使用量は変わらないと思います。節電のため電気機器の種類を変更したのに、電気代が上がってショックでした」と話す。

 上原さんは母親や子ども、愛犬とも一緒に住んでいる。日ごろから電気やガス、水道は無駄遣いしないように心がけており、「いま以上の節約はなかなか難しい。お願いだから、値上げしないでほしい」という。

 上原さんのようにガス併用の家庭はまだいいほうかもしれない。オール電化で家族が暮らしていると、電気料金が月額10万円超えのケースも出ているようだ。

 オール電化の料金は一般に比べ、値上げ率が大きくなりがち。オール電化の料金は夜安く、昼高くすることがあり、夜に電気温水器でお湯をつくってためておく。料金の値上げ額が同程度なら、安い夜間料金のほうが値上げ率は大きくなる。

 ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、プランを見直すか、効率的に使うしかないという。オール電化の電気料金は昼高く、夜安いが、その強弱がプランによって違う。生活スタイルに合わせて見直したい。風呂内さんは「ブレーカーが落ちやすくなるが、契約のアンペア数を下げる方法もある」と話す。

 電気や都市ガスの料金は、消費者物価指数で前年同月に比べ、それぞれ昨年11月が各20%、29%、12月も21%、33%の上昇となった。一般家庭の電気とガスの料金を合わせると月数万円規模のことが多く、家計への影響は大きい。電力各社は4月以降に大幅な値上げを実施するため、家計はさらにダメージを受けそうだ。

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