田原総一朗・ジャーナリスト
田原総一朗・ジャーナリスト

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、日本のジェンダーギャップ指数がなぜ低いのか、超党派女性議員の意見から迫った。

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 4月7日午後6時から、浜離宮朝日ホールで「超党派女性議員の討論会」が開催された。

 実は、2021年5月に、全政党の女性国会議員たちの「クオータ制実現に向けての勉強会」が始まった。その勉強会を呼びかけたのは私である。

 わが国は憲法で「すべて国民は、法の下に平等」と“男女同権”をうたっていながら、ジェンダーギャップ指数が世界で120位。もちろん先進国で最低レベルだ。しかも、政治分野では156カ国中147位である。衆議院の女性議員の割合は9.7%という低さだ。

 ジェンダーギャップ指数の思い切った向上、何としても女性の国会議員の割合を30%以上にさせるべき、ということで、この勉強会が始まったのである。

 7日の討論会に出席したのは、自民党の三原じゅん子氏、立憲民主党の徳永エリ氏、公明党の古屋範子氏、日本維新の会の石井苗子氏、国民民主党の矢田稚子氏、共産党の田村智子氏、社民党の福島瑞穂氏の7人で、れいわ新選組の大石晃子氏はVTR出演となった。司会を務めたのは元フジテレビアナウンサーでキャスターの長野智子氏であった。

 まずは、なぜ日本はジェンダーギャップ指数がこれほど低いのか。女性の国会進出を阻んでいるものは何なのかについて、一人ひとりの議員が自由に発言し、主張することから始まった。

 何人もの議員が、「意識の壁」なるものを指摘した。

 企業や役所などで働く、あるいは政治活動をするなど、外で仕事をするのは男性の役割で、女性は家を守り、子育てなどをするものだ、という「意識」が、まだまだ日本では支配的だというのである。

 ヨーロッパの先進国や米国などでは、子育ては夫と妻が半々で行い、しかも子育てについて、かなりの部分が公助に委ねられている。

 それに対して日本では、子育ては妻の役割で、しかもほとんどが自助。エネルギーの多くを子育てに費やさなければならない。

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田原総一朗

田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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