東村山駅前の志村さんの銅像前で写真撮影するファンたち
東村山駅前の志村さんの銅像前で写真撮影するファンたち

 2年前の3月29日、新型コロナによる肺炎で急逝したタレントの志村けんさん(享年70)。生まれ育った東京都東村山市の西武・東村山駅東口に建てられた銅像は、志村さんやザ・ドリフターズの聖地として全国からファンが足を運んでいる。三回忌に、改めてゆかりの場所で“喜劇王”志村さんの素顔を追った。

【写真】志村さんの墓参りをするファンたち

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 29日の命日。志村さんが眠る東村山市の墓地には、平日にもかかわらず、次から次へとファンが訪れていた。

「2年たった今でも、亡くなられたことが信じられなくて……。あの『だいじょうぶだぁ』って高い声とトボケた顔で、バラエティー番組に出てくるような気がしてならないんですよ」

 群馬県高崎市から来た男性ファン(55)はこう言って、持参したカップ焼酎を墓石に置き合掌した。

 川崎市から来たのは、46歳男性と30代女性のカップル。

「昨年も命日に来ました。物心ついたころから、お笑い番組といえば、志村さん。どれだけ楽しませてもらったことかわかりません。ありがとう、と感謝の気持ちしかないですね」(男性)

 供花を手にした17歳の2人の女子高生は、神奈川県鎌倉市から電車で2時間かけて来たという。

「両親が志村さんの大ファンで、『8時だョ!全員集合』(TBS系)のDVDを見て私も大好きになりました。誰も傷つけないバカバカしいコントが魅力です」

 東村山市在住の男性ファン(48)は、「普段からファンが訪れるので、お墓の周りはきれいで供花が絶えません。やはり人柄でしょう」。

 26日には、ザ・ドリフターズの高木ブーさん、仲本工事さん、加藤茶さんらの姿があった。SNSなどで、それぞれの思いなどを語っていた。

 三回忌法要は27日午前、けんさんの実兄の知之さん(75)によって市内で営まれ、親族ら関係者約10人が参列したという。

 志村さんといえば、「東村山音頭」は外せない。ザ・ドリフターズのメンバーに抜擢(ばってき)されたものの、なかなか芽が出なかった志村さんがブレークしたきっかけの曲でもある。東村山市商工会の担当者によると、「1961年に東村山町農協(現・JA東京みらい)が日本歌謡協会理事の土屋忠司氏に作詞を、キングレコードの専属作曲家の細川潤一氏に作曲を依頼したご当地ソングなんです。歌ったのは昭和歌謡の大御所・三橋美智也さん(故人)でした」。

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