※写真はイメージです
※写真はイメージです

 お風呂に入る時の楽しみの一つ、入浴剤。色や香り、効能などさまざまで、コロナ禍で温泉に行きづらい今、家で温泉気分を味わうこともできる。しかも、入浴剤を上手に使いこなすことで、睡眠の質も向上するという。

【常備したい!おすすめの入浴剤はこちら】

*  *  *

 入浴する理由といえば、「体を洗うため」「リラックスするため」といったことを思い浮かべる人が多いのではないだろうか? 日本人は風呂好きと言われているが、近年はシャワーで済ます人も少なくない。

 そんな毎日の入浴習慣を見直すことで、睡眠の質が改善できるという。そこで入浴剤を使えば、その効果をより高めることができるというのだ。

 SleepLIVE株式会社代表取締役で、入浴と睡眠に詳しい小林麻利子さんは、自身による研究や、科学的根拠のある研究に基づいて改善アドバイスを行っている。

「日本人は世界で最も睡眠時間が短く、睡眠への不満を抱えています。ストレスや加齢、手足の冷えなどで十分睡眠できていないと考えている人が多いのですが、入浴方法を工夫すれば、確実に眠りやすくなります」

 スムーズに眠りにつき、かつ、深い眠りに入る時に鍵となるのが「深部体温」だ。内臓や脳など体の内側の温度のことだが、人間は深部体温が下がると覚醒度が下がって眠くなるという。

「就寝前の入浴で、一時的に深部体温を上昇させれば、体は体温を急激に下げようと働きます。このタイミングを活用して就寝すればいいのです。深部体温を上昇させるには、40度のお湯に15分つかるのがいいということが研究で明らかになっています」

 睡眠には、体温調節や呼吸、血液循環などをつかさどる自律神経が関係している。自律神経には、体を活動的にする交感神経と、休養や回復状態にする副交感神経の2種類がある。深い睡眠には副交感神経が関わっており、就寝直前に副交感神経が優位になっていることが望ましいという。

「湯船につかると血管が広がって血流がよくなる温熱作用が得られます。また、浮力が作用するので体が軽くなり、筋肉の緊張がほぐされます。これらによって副交感神経が優位に働きます。お湯が42度以上だと交感神経が刺激されてしまうため、副交感神経が優位になる40度以下のお湯がちょうどいい。ただし、お湯の温度は設定温度任せにせず、水に浮かべるタイプの水温計で測ってください。浴室の広さや温度などに影響され、設定温度よりも低くなるからです」

 深部体温を上昇させ、副交感神経を優位にする時に鍵となる温熱作用は、入浴剤によって、さらに効果が高まる。

次のページ