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「競争」ではなく「共創」 隠岐・海士町を変える京大卒の男、阿部裕志
京大
2022/04/03 10:00

京都大学で後期も含め、全日程の合格発表が終わった。自由な校風で知られる同大は卒業後の進路も多様で、在学中に起業する学生も増えている。今回はその中からOBの「風と土と」代表取締役 阿部裕志さん(工学部)にスポットを当てる。
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島根県の北、日本海の沖合約60キロメートルに浮かぶ隠岐諸島の中ノ島に、「海士(あま)町」という町がある。対馬暖流の影響を受けた豊かな海と、豊富な湧水に恵まれ、自給自足ができる半農半漁の島として知られる。
スーパーもコンビニもない環境を逆手に取った「ないものはない」というキャッチフレーズや、島独自の取り組みが全国から注目され、移住者は人口(約2400人)の約2割を占める。
阿部裕志さん(43)は2008年、愛知県からこの島に移り住み、「巡(めぐり)の環(わ)」を立ち上げた。島外の組織や個人に、海士町の取り組みから得た地方創生のヒントを座学やフィールドワーク形式で伝える研修事業などを通じ、少しずつ事業を拡大。18年、社名を「風と土と」に変更した。「風」はよそもの、「土」は地元民を指し、両者がともに風土を耕していく意味を込める。
原体験となったのが、京大工学部時代の有機農業研究会とアウトドアサークルの活動だ。研究会では大学の畑を借りてさまざまな野菜を作り、学祭で鶏をさばいた。サークルでは週末ごとに全国各地の山や川、無人島を探検した。
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