東大の安田講堂(撮影/写真部・馬場岳人)
東大の安田講堂(撮影/写真部・馬場岳人)

 本誌恒例、東大・京大合格者へのアンケートに今年も1500人余りが答えてくれた。彼ら、彼女らはどんな創意工夫と努力で合格を勝ち得たのだろうか。(東大理系編、京大編は後日掲載予定です)

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 今年の東大文系の合格者は1231人。その4割近い447人から回答があった。主な質問は次のとおりだ。

「大学で成し遂げたいこと、将来の夢ややりたい仕事は何か」

「勉強がはかどらず、成績が伸びなかったとき、どう乗り越えたか」

受験勉強期間のスマホとの付き合い方」

「スマホの1日の平均利用時間」

「受験勉強で役に立ったアプリ」

「合格大学出身の尊敬する有名人は誰か」

「好きなYouTuber(ユーチューバー)は誰か」

 まずは将来の夢について。法学、経済学、政治学など合格科類に即した学問を学びたいとする回答が多かったが、「留学」「語学」「海外」といったワードも目立ち、約1割が言及していた。長引くコロナ禍で自由に海外に行けなかった分、制約がいよいよ緩和されそうな期待もこもっているか。

「フランスに留学し、いずれはフランスで仕事に就きたい」(広島学院、文二)、「スペイン語の完全習得、トリリンガルになりたい」(栄東、文三)など具体的な国名を挙げた人も多くいた。

 勉強がはかどらないときや成績に思い悩んだとき、精神的に支えとなったものは何だったのかを探ってみた。

「つらくても勉強することをやめない」(県立浦和、文二)、「他の人が追い上げてくるという恐怖を原動力にした」(高田、文一)、「勉強の不安は勉強でしか解消されない」(山形東、文三)、「丸々一日勉強せずに罪悪感を覚えさせる」(札幌北、文三)など、勉強せざるを得ない心境まで追い込む強靱なメンタルの持ち主もいた。一方で、「寝る」(県立前橋、文三)、「自然を感じられるところに散歩に行く」(筑波大附、文一)など、割り切って休んだり、遊んだりして気持ちを切り替えるという意見も多かった。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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