さらにコロナ収束後の業績回復が見込める銘柄も、今のうちに仕込んでおきたいという。

「不動産ファンドを活用して高級ホテルへの投資や運営を手がけるウェルス・マネジメントはコロナ禍でも好調を維持しており、富裕層の需要が期待できる。優待では、グループの高級ホテルで使える優待券がもらえます。東海旅客鉄道(JR東海)など、ビジネス客の回復が期待できる鉄道株もおススメです」(藤本さん)

 元ファンドマネジャーで、個人投資家を育成する「こころトレード研究所」の坂本慎太郎所長は、コロワイドやアトム、トリドールHDといった外食チェーンや、三越伊勢丹HD、オリックスなどを挙げる。

(週刊朝日2022年4月1日号より)
(週刊朝日2022年4月1日号より)

「いずれも、優待銘柄としては『鉄板』とも言える人気企業ですが、今は株価が比較的買いやすい水準にある。株価が回復に向かう局面で売買益も期待できます」

 アトムはカッパ・クリエイトなどとともにコロワイドの傘下企業で、優待券もグループ内店舗で互いに使える利点がある。

 原油や商品価格は上昇し、今後は電気代やガス代、食品の値上がりが予想される。坂本さんは、株価水準の低い「低位株」のうち、優待で生活必需品がもらえる銘柄も一考の余地があるという。

「TOKAI HDは10万円以下から株が買え、優待も天然水やクオカードなどから選べます。日本製紙株も今は10万円前後で買えますし、優待で、これから値上がりする心配のあるティッシュやトイレットペーパーなどのセットがもらえる」

 弁護士業務の傍ら、個人投資家として優待生活を送ることから「優待弁護士」として知られる澤井康生さんの投資方針はシンプルだ。その判断基準は、優待の内容が自分にとって本当に魅力的か、もらった優待品やサービスを実際に使いきれるかどうか、そして株価が安定して推移しているかの三つだという。

「私は食べることが大好きなので、本当にほしいと思える食品がもらえるかどうか。そして職場や自宅など生活圏で無理なく利用できるかを念頭に銘柄を選んでいます」

次のページ