これまでは低金利でメガバンクの運用難が続いたが…… (GettyImages)
これまでは低金利でメガバンクの運用難が続いたが…… (GettyImages)

 身の回りの食品や日用品などの値上げが相次いでいる。インフレでお金の価値が目減りするのを防ぐには、厳選した銘柄に投資するのも一つの手段かもしれない。いま投資すべき銘柄を専門家に聞いた。

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 ガソリンや食品、日用品など身の回りで値上がりが相次いでいる。原油や原材料の価格の上昇、円安などが要因だ。

 日本銀行が2022年度の物価上昇率の見通しを従来の0.9%から1.1%へ引き上げた。民間のシンクタンクでは2%近い予想をするところもある。これは消費者物価指数のことだが、加工食品などは内容量も減らし、実質10%以上の値上げになるものも。統計には反映されていない値上げもあるとみられる。

 インフレは世界的に進行する。米国では昨年12月の消費者物価指数が1年前に比べ7.0%上昇。前月の6.8%から伸びを高めた。中央銀行の連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制のため、利上げに動き出すともみられている。

 インフレになると貨幣価値が下がる。金融機関に預ける預金の価値は目減りする。こんなときは資産が目減りしないように、一部を株などに投資するのも一つの手段だ。

 値上がりが期待できる株はもちろんだが、配当利回りがインフレ率を上回り、値下がりしなければ資産は目減りしない。配当利回りとは、株価に対する年間配当金の割合。株主優待制度で商品などを贈呈する企業もあり、金銭に換算すると配当利回りはさらに上がる。

 どんな銘柄がいいのだろうか。インフレの構造を見ると、すべてが均等に値上がりしているのでなく、原油や原材料など「川上ほど上がっている」と話すのは、楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジスト。

 窪田さんの注目株は、INPEX。以前の社名は国際石油開発帝石で、海外に権益を持ち、原油や天然ガスを開発、生産する。火力発電は二酸化炭素の排出抑制のため、脱石炭、天然ガスへ移行する動きがある。INPEXは、海外の深海から天然ガスをくみ上げる先行投資が、これまで重荷だった。天然ガス価格の上昇で、今後はどんどん生産できるとみている。

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