◆小島監督との仕事楽しかった

──日本の人気ゲームクリエーター、小島秀夫監督のゲーム「デス・ストランディング」でコラボし話題を呼びました。小島さんとの仕事の感想は?

「ヒデオとの仕事はファンタスティックだった。彼はゲームの世界では天才的な存在だと思う。『デス・ストランディング』の物語展開は非常に緻密で、理解しがたい部分もあったが、念入りに絵コンテを作って説明してもらった。それがあの宇宙を作り上げていく大きな助けになった。CG撮影用のグリーンスーツを着て、額にカメラをつけて撮影したのはシュールな体験だったね。その時の僕の外見はばかげた格好をした男だったと思うが、シーンの撮影方法は映画と同じでヒデオが監督した。シーンは後からCGで修正できるから、演技は感情を目いっぱい入れてほしいと言われた。映画とは異なる体験ではあったが、楽しい仕事だったよ」

──俳優さんによっては、ゲーム出演に違和感がある人もいるかと思います。受け入れる気持ちになったのは、小島さんがニコラス(・ウィンディング・レフン監督)の友人だったから?

「ニコラスからヒデオを紹介されたんだ。彼の仕事の仕方が好きなんだ。非常にクリエーティブな映画監督と話しているような感じだし。僕にとって媒体はあまり重要でない。一緒に仕事する人が、何を作り出そうとしているのかという目的、そしてその過程が重要だ。それに僕が少しでも力になれればと思う。そう感じた時、仕事に関わりたいと思うんだよ」

──あなた自身はゲームはやりますか?

「それほどやらない。パックマンの時代で終わってるかな(笑)。『デス・ストランディング』は途中までやったが、僕はコントローラーの操作があまり速くないから、なかなか進まない。でも興味をそそられる刺激的な、これまでにないようなゲームだと思う」

(在ロンドン 高野裕子)

週刊朝日  2022年2月11日号