ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬のむーたちゃんです。

【写真】こんな姿見たことない! 枯れ葉をやさしく抱えて立ち上がる猫

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 わが家のミックス犬の「むーた」は保護犬(写真、雄)。年齢はわかりませんが、いわゆる犬らしい犬で、静岡県のとある多頭飼育崩壊の現場からボランティアさんの手を経てわが家に来ました。

 むーたはそんな環境からやってきたせいか、人間からは距離を取り、隙あらば脱走を試みる片耳がちぎれた臆病なワンコです。

 部屋にいても、ちょっと離れた場所からこちらの様子をうかがい、気を許しません。人がいれば何もせずに静かに過ごし、いなくなると活動開始!

 体重は6.5キロとそんなに大きくもないのに、サークルの中で留守番をしてもらおうにも、よじ登って出てしまいます。

 おとなしくしていると油断して、いなくなるとさあ大変。椅子の上のクッションやブランケットを散乱させ、床のラグはボロボロにするので1カ月ごとに交換です。

 やってきた当日の夜には、寝室に連れていってケージを開けると逃げようと走り回り、布団の上に粗相されて、むーたの洗礼を受けたものです。

 そんなむーたが飼い主に近寄ってきてくれたのは、およそ1年後でした。

 それまで、ゴハンの時だけさーっと寄ってきて、食べたらすぐ逃げてしまいました。今でもその用心深さは残り、勢いよく近づくと逃げてしまいますが、むーたはむーたのペースで少しずつ心を開いてくれています。

 帰宅した時の熱烈歓迎ぶりには胸が熱くなる日々です。

 彼は牧羊犬のような使命を感じているらしく、その目には人間(私も含めて)が羊のように映っているのかもしれません。わんわんわん!(そっちの道は違うぞ)。はい、承知。むーたが今日も見張ってくれています。(兵庫県三田市/46歳/主婦)

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週刊朝日  2021年11月19日号