思わずさんまが「(面白いのは)あんたがや!」と叫べば、なぜかその響きが気にいった徹子。
歌い始めたよ。「あなたがや~、たかさごや~」。暴走機関車か。もう誰も止められない。
「面白い、俺以上に面白いですよ」と、さんまが白旗をあげると、ご機嫌に徹子は答える。
「そんなことない。私、『さんまのまんま』とか、あなたみたいに(自分の)名前がついた番組無いもの!」。待て、この番組のタイトルは誰の部屋? さんまからも指摘されるが譲らない。
「『徹子の部屋』はただの部屋だから。で、どうでもいいけど、なんでそんなに面白いの?」
さんまくずれ落ちる。この世でさんまをこれほど疲れさせるのは、黒柳徹子と大竹しのぶだけ。
もうね、拝むしかない。ずっとこのままありがたい置物として、鎮座していてほしい。
ちなみに私が「徹子の部屋」芸人回で一番好きなのはフットボールアワー(後藤輝基、岩尾望)。徹子の開口一番、「ブサイクが売りだそうですが、ブサイクはどちら?」。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2021年6月25日号