草なぎ剛(中央)演じる「犬」を離婚するにあたり、どちらが引き取るかでバトルする夫婦役の小西真奈美(左)と羽場裕一(右)=撮影・遠崎智宏
草なぎ剛(中央)演じる「犬」を離婚するにあたり、どちらが引き取るかでバトルする夫婦役の小西真奈美(左)と羽場裕一(右)=撮影・遠崎智宏
個性的な俳優たちとの競演も見どころ。「犬」を演じる草なぎ剛(左)と外国からやってきた夫の友人役の畠中洋=撮影・遠崎智宏
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個性的な俳優たちとの競演も見どころ。「犬」を演じる草なぎ剛(左)と外国からやってきた夫の友人役の畠中洋=撮影・遠崎智宏
熱演する草なぎ剛=撮影・遠崎智宏
熱演する草なぎ剛=撮影・遠崎智宏

 2019年5月に京都劇場で上演され、好評を博した草なぎ剛主演の舞台「家族のはなし」の再演が5月14日、横浜市中区のKAAT神奈川芸術劇場で始まった(30日まで)。

 草なぎが2組の家族の一員を演じることで、家族の絆や夫婦愛について問いかける、2話構成になっている。

 第1話<わからない言葉>の草なぎは、小西真奈美と羽場裕一演じる夫婦がかわいがっている「犬のハッピ―」役。といっても、犬の着ぐるみを着るわけでもなければ(草なぎのトレードマークの上下デニム姿)、犬の擬態をするわけでもない。なのに、草なぎがだんだんと「犬」に見えてくるから不思議だ。

 自分をかわいがってくれる夫婦が、ちょっとした食い違いでいさかいを起こし、離婚寸前までこじれてしまう成り行きに、心を痛め、別れを阻止しようと奮闘する姿を、「犬」らしくはつらつと、時に涙ぐましく切なげに演じる。

 第2話<笑って忘れて>は、「笑うと記憶を失ってしまう」妻役の小西と草なぎが、息ピッタリの夫婦役。

 まるでO・ヘンリーの『賢者のおくりもの』に出てくる夫婦のようなけなげさで、お互いを思うが故に空回りしてしまうのだが、その一挙手一投足から、互いへの深い愛情がじんわりと伝わってくる。

 この二人の組み合わせといえば、故・つかこうへいの名作「蒲田行進曲」。二人が伝説の舞台で共演してから一昨年本舞台で再共演するまで、19年空いたそうだが、さすが、元・ヤスと小夏。ブランクをまったく感じさせない夫婦っぷりだ。

 1話は犬、2話は普通のサラリーマンの夫と、二つの異なる役を見事に演じた草なぎ。

 SMAPの解散から約4年半、昨年は映画「ミッドナイトスワン」で、トランスジェンダーのダンサーを演じ、第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど、アイドル界一の演技派&「憑依(ひょうい)系」俳優の面目躍如の大活躍だった。

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最初と最後ではまるで別人