軍と“デジタルで闘う”在日ミャンマー人たち 祖国の未来のために奮闘 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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軍と“デジタルで闘う”在日ミャンマー人たち 祖国の未来のために奮闘

鮎川哲也週刊朝日
3本指のポーズをするウィンチョさん (撮影/鮎川哲也)

3本指のポーズをするウィンチョさん (撮影/鮎川哲也)

高田馬場のミャンマー料理店に掲げられているポスター (撮影/鮎川哲也)

高田馬場のミャンマー料理店に掲げられているポスター (撮影/鮎川哲也)

 クーデターを起こしたミャンマー国軍が、抵抗する国民に武力で対抗している。ミャンマーの国民だけでなく、世界が軍にノーをつきつけている。日本に住むミャンマー人たちも例外ではない。彼らの闘いと、祖国への思いを聞いた。

【写真】日本でも軍にノー!ミャンマー料理店に掲げられているポスター

*  *  *
「絶対に許せない!」

 そう語気を強めて話すのは、在日ミャンマー人のウィンチョさん(56)だ。怒りの矛先はクーデターを起こしたミャンマー国軍に対してである。

 2月1日、ミャンマー国軍はウィンミン大統領、アウンサンスーチー国家顧問らを拘束し、政権を掌握したと宣言した。

 ミャンマー国民は、軍の横暴を許してはいけないと声をあげ、拳を振り上げた。国民の声は次第に大きくなり、デモは少しずつ拡大している。

 9日、国軍はついに国民に対し実弾で攻撃を開始、その場にいた3人が銃弾に倒れた。

「撃たれた女の子は頑丈なヘルメットを被っていました。でも弾はヘルメットを撃ち抜き、頭にまで届いていました。軍はマシンガンを使ったんです」

 怒りをこめてウィンチョさんは話す。

 3月3日には歌やダンスの動画をSNSにあげて運動の機運を盛り上げていたチェーシンさん(19)、ニックネーム「エンジェル」が後頭部を撃たれて死亡、エスカレートする軍の暴力により、現地の人権団体は3月29日までに、500人以上が死亡したと発表した。

「軍は撃っていないと、嘘をつきます。あのときも嘘をついた。嘘を許さないために、しっかり証拠を残さないといけない。以前は軍に対して何もできなかったけど、今は闘える道具があるのです」

 そしてスマホを強く握りしめた。

「あのとき」とは、「1988年」のことである。

 88年、学生と政府の有力者の子どものいざこざを機に学生と治安部隊の対立に発展し、民主化運動にまで拡大した。それに対し軍は無差別攻撃で鎮圧を図る。その結果、多くの命が失われた。


「このままでは殺される。国外に出たほうがよい、と母にお願いされました」


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