決算について説明するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長 (c)朝日新聞社
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長期保有でじっくり成長を狙いたい注目銘柄30 (週刊朝日2021年4月9日号より)
長期保有でじっくり成長を狙いたい注目銘柄30 (週刊朝日2021年4月9日号より)
長期保有でじっくり成長を狙いたい注目銘柄30 (週刊朝日2021年4月9日号より)
長期保有でじっくり成長を狙いたい注目銘柄30 (週刊朝日2021年4月9日号より)

 日経平均株価は30年半ぶりに3万円台を回復した後、一進一退の動きを続けている。上昇局面は終わったのか。専門家に聞けば、個別の銘柄を吟味すると、長期で保有すれば上昇が期待できるものはまだまだあるという。

【一覧で見る】長期保有でじっくり成長を狙いたい注目銘柄はこれだ!

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「現在の株価上昇は企業の好業績に裏付けされており、バブルだとは思いません」

 と話すのは、楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之さんだ。

「身近な存在である外食や観光、小売店舗の様子を見て景気や企業業績が落ち込んでいると感じる人が多いのは無理もありませんが、産業界全体を見渡せば、需要が急激に回復し業績アップが見込まれる業種が多くあります。株式投資の観点でも、長くじっくり保有して上昇を狙いたい銘柄も増えてきました」

 需要が急増している業種の筆頭格が、半導体だ。年明けからはトヨタやホンダ、日産をはじめ、海外の自動車メーカーも半導体不足で減産を余儀なくされているほど、その需給はひっ迫している。

「半導体はさまざまな工業製品に使われており、コロナ前からIoTや高速通信規格5Gの普及で需要が世界的にひっ迫することは懸念されていました。そこへコロナ禍によるリモートワークや巣ごもり需要の拡大で、パソコンや周辺機器、ゲーム機などの需要が急増し、自動車産業の回復なども手伝って、過去最大の需要拡大局面を迎えています」(窪田さん)

 半導体市場回復の恩恵を受ける銘柄としては、半導体の基板材料であるシリコンウェハーで世界シェアトップを誇る信越化学工業が有望だと窪田さんは話す。また、半導体検査装置のアドバンテストや半導体の製造工程で使われるフォトレジストで高い世界シェアを持つ東京応化工業など、注目したい半導体銘柄は数多くある。

 一方、岡三証券投資戦略部長の小川佳紀さんは、米国の景気回復に注目している。

「日本の株式市場は、良くも悪くも米国景気に大きな影響を受けます。現在米国の景気が強い回復を見せているところに、家計への現金給付を柱とする200兆円規模の経済対策が成立したことも、大きな追い風になると考えられます」

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