※写真はイメージです (GettyImages)
※写真はイメージです (GettyImages)
(週刊朝日2021年3月26日号より)
(週刊朝日2021年3月26日号より)

 突然ですが、最近しっかり睡眠をとっていますか? 眠りが分断され、悩まされている人は多いのでは?

【グラフ】睡眠時間が短くなると感染率が高くなる! 睡眠時間とウイルス感染率はこちら

「それは、メラトニンという睡眠を促すホルモンの分泌量や、体内時計の調整といった睡眠に関わる機能が老化で衰えることも一因になっています」

 こう話すのは、睡眠総合ケアクリニック代々木の井上雄一理事長。

「この機能を守っていくためにも正しい睡眠習慣が大事です。コロナ禍で生活スケジュールが乱れやすい現状では特に重要です」

『スタンフォード式最高の睡眠』の著者で、スタンフォード大学精神科の西野精治教授が代表を務めるブレインスリープの調査では、新型コロナの感染拡大でリモートワークが進んだことで「遅寝遅起き」の傾向が顕著となったことがわかった。

 その結果、睡眠時間は長くなったとしても、睡眠の質は落ちている傾向が見られたという。同社主任研究員の長田康孝さんは「睡眠不足は感染症リスクが高くなります。良質な睡眠は感染症予防の基本です」と話す。

 感染予防にはまずは睡眠が大切で、長く寝るのが良いわけではなく、大事なのは「起きたときの気持ちよさ」という。

 寝具メーカー「昭和西川」の西川ユカコ副社長は、「睡眠力」を上げるコツを七つあげる。

【1】眠くなるまで布団に入らない
【2】日中に太陽の光を浴びて、リズム運動
【3】毎朝なるべく同じ時刻に起きる
【4】朝食をとる
【5】たんぱく質の多い食材をとる
【6】夕方以降は照明の明かりを落とす
【7】就寝1~2時間前に入浴

 これらは、精神の安定や心のバランスを保つことに関わる神経伝達物質、セロトニンの分泌を増やしたり、体内時計を整えたりするのに有効だという。日中にきちんと日光を浴びて体を動かし、夜間には暗い所で過ごす。このメリハリが体内時計にリズムを与えるため、自然と睡魔がやってくるのだ。

 その上で睡眠環境を整えることも必要。マットレスや枕などの寝具は正しく立ったような姿勢で寝られ、体の重さをバランスよく分散し、弾力性に優れ、寝返りが打ちやすいものがお薦め。寝間着にも寝返りを打ちやすいものがあるといい、西川さんは「ストレッチ素材で吸水性が高いものが良いでしょう」と話す。

次のページ