それに菅原氏が今さら、議員辞職しても、起訴相当という判断はそう簡単に覆らないという。

「内閣の支持率も低迷するばかり。それにしても、黒川氏の立件、菅原氏の起訴相当の判断がなぜ、選挙前になるのか……。疑問を感じる」(同前)

 河井克行被告の妻、案里氏は懲役1年4か月、執行猶予5年、公民権停止5年間の判決が出て、5年間は選挙に出馬できない。自民党の筋書き通り、菅原氏が議員辞職し、反省の態度を認められて、検察が不起訴と判断したとなれば、菅原氏は公民権停止もなく、次の衆院選にも再出馬できる。そうなれば、案里氏らとの公平性という観点で大きな問題となる。

「菅原氏も公職選挙法違反ですから、検察は起訴して、立件すべき。大事なのは事件が選挙に関連するということ。克行被告、案里氏の事件を見てわかるように、公民権停止で当面、選挙に出馬できない。菅原氏も河井夫妻と同様にカネをバラまいたのだから、次の選挙に出馬することは、絶対に許されない」(郷原弁護士)

 検察の捜査の行方を注目される。(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら