「私だからできることがある」と話す篠田麻里子さん(撮影・東川哲也)
「私だからできることがある」と話す篠田麻里子さん(撮影・東川哲也)
篠田麻里子さん(撮影・東川哲也)
篠田麻里子さん(撮影・東川哲也)

 AKB48の元メンバーで元祖「神セブン」として人気だった篠田麻里子さん(35)。自身の誕生日でもある3月11日には特別な思いを寄せる。あの日以来、ただ祝福される日ではなくなり、何かを考え、伝える日になった。そして昨年母親となり、新たに感じることも出てきた。

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「東日本大震災 から10年。普通に暮らすことのできている幸せを当たり前だと思わず感謝を忘れないようにしたいと思います。いつ何が起こるかわからない。改めて見直して備えておく事、大切ですね!」

 日付が3月11日に変わって間もなく、篠田さんは自身のツイッターにこうつづった。

 震災翌年の2012年から、この日には必ず被災者、被災地に心を寄せ、気持ちも新たにツイートしている。

 10年前のこの日、篠田さんはシングル曲「Everyday、カチューシャ」のPVの撮影でグアムにいた。震災があった時間あたりから、日本へは携帯電話やLINE(ライン)がつながりにくくなったという。

「メンバーと『なぜかしら?』って話していたんです。震災を知ったのはロケが終わり、海岸沿いのホテルへ戻ってからでした」

 現地のテレビでも被災地の惨状を流しており、津波の映像に皆ショックを受けていた。

「あれは本当に日本だろうか? 夢じゃないのか?って。ところが夕方になりグアムにも津波警報が発令され、慌てて山の上にあるホテルへ避難しました」

 前夜には、同じくロケに参加していた松井珠理奈さんが3月8日生まれということもあり、合同の誕生日パーティーを開いていた。

 そんなお祝いムードは一変した。

「誕生日に起きた大災害に複雑な思いを抱きつつ、慌ただしくも眠れない一夜でした」

 帰国したが、劇場公演やテレビ収録、各種イベントは全てキャンセル状態。

「AKBは震災の直後から義援金を募っていたのですが、世相は何でも自粛になっていました。それで秋元(康)さんは『エンターテインメントができることって何だろう』って考えていらっしゃったみたいで、グループとしてのチャリティー活動『「誰かのために」プロジェクト』(以下、「誰かのために」)を立ち上げました」

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「私の生涯の使命」