伝わりにくい「激辛」、桐山照史のお尻が心配 ドラマ「ゲキカラドウ」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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伝わりにくい「激辛」、桐山照史のお尻が心配 ドラマ「ゲキカラドウ」

連載「てれてれテレビ」

カトリーヌあやこ週刊朝日#カトリーヌあやこ
カトリーヌあやこ・漫画家&TVウォッチャー

カトリーヌあやこ・漫画家&TVウォッチャー

イラスト/カトリーヌあやこ

イラスト/カトリーヌあやこ

 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ゲキカラドウ」(テレビ東京系 水曜24:12~)をウォッチした。

【桐山照史くんが心配になる!ドラマ「ゲキカラドウ」のイラストはこちら】

*  *  *
 深夜に数々の飯テロを仕掛けてきたグルメドラマ界の老舗、テレビ東京。新たに打ち出したグルメテーマは「激辛」だ。

 飲料メーカーの社員・猿川(桐山照史・ジャニーズWEST)は、大阪から東京へ転勤。しかし異動先の営業促進室の面々は、激辛道(激辛の向こう側にあるカタルシスへの道)を説く、究極の激辛マニアたちだった。

 というわけで、毎回登場する実在の激辛グルメ、だいたい名前が地獄系。「地獄ラーメン50丁目」に「地獄谷の麻婆豆腐」。グツグツ煮えたぎる麻婆豆腐を前に、怯(ひる)む猿川。

「ビッシリと表面を覆う唐辛子。マグマのように沸き立つ灼熱(しゃくねつ)の餡(あん)。まさに地獄や……」

 今日は激辛の気分じゃないなどと弱音を吐けば、同僚から容赦のないゲキが飛ぶ。

「そんな言い訳、うちでは許されませんよ」
「パイセン(先輩)ビビってます?」
「つべこべ言ってないで、早く食べなさいよ!」

 これはカラハラ? 辛みハラスメント? しかし激辛を頬張ると、どうでしょう。その辛み限界を突破した瞬間、あふれ出す激辛の旨味(うまみ)。

 これ、アレじゃないかな。生命の危険を感じた脳が幻覚見せてるんじゃないかな? と、思わないでもないが、激辛を突き抜けた猿川は、身も心もスッキリ。店の外に出れば、吹き抜ける風が、火照(ほて)った体に気持ちいい。

「ととのったー!」は、ドラマ「サ道」(これまたテレビ東京系)の至福の境地だが、このドラマでは毎回「仕上がったー!」が決めゼリフだ。

 さて、このドラマを見て気づいた。ぶっちゃけ「激辛」って伝わりにくい。いや、見るからに辛そうなのはわかる。食べてる俳優も汗ダラダラだ。でもそれがどれほどの激辛なのか。地獄の50丁目って、いったいどのあたりにあるのか。

 そもそも「激辛」は五感を刺激する。視覚「赤い! やばいくらい赤い」。聴覚「グツグツいってる! 熱そう危険」。嗅覚(きゅうかく)「ツーンと来た! むせる注意」。触覚「熱い痛い熱い痛い」。味覚「辛い辛い辛い辛い辛い」。

 でね、テレビで感じ取れるのは視覚と聴覚のみ。せめてあと匂いが出れば! ツーンと来れば!

 その「激辛」を知りたければ、実際食べに行けってことか。一人罰ゲームか。とにかく出演者の翌日のお尻が心配です。

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

週刊朝日  2021年2月19日号


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カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など。

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