昨年の自粛期間は襲名披露公演が無くなり、子供たちと過ごす時間を設けることができた。

「ふざけた話から政治などのまじめで難しい話、いろいろと話すうちに、親子の絆は深くなっていきます。その中で、多忙を言い訳に子供たちの本当の姿を見られておらず、若い時よりも少し減ったのではと思っていた笑顔が戻っていきました。子供たちは、栄養バランスをちゃんと考えて食事をとるようになった。そこが一番変わったかなと思うところでございます」

 2人にとっては、思いがけず訪れた父と過ごす時間。ぼたんは、

「(一緒に)テレビやYouTubeを見たり、勉強が終わったあとにはサッカーやいろんな遊びを一緒にやってくれるので、本当にうれしいです」

 そして勸玄は、

「一緒に寝たりして、パパのことを蹴ったりするのがちょっと楽しかったです」と、寝ているときに父を蹴飛ばしたことを語る。

 他愛ない日常の幸せが、親子のやり取りの端々から伝わってきた。

 年は明け、3日の初日は無事迎えることができた。7日に発出された緊急事態宣言では、舞台の公演への中止要請は行われていない。

 宣言後も感染防止のガイドラインを順守しながら、公演は続けられている。

 冒頭の海老蔵の祈りが届き、17日の千穐楽を、親子そろって無事、迎えることはできるだろうか。

(本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン限定記事