三浦春馬 遺作映画の監督に「僕、頑張ったので」と見せた涙 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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三浦春馬 遺作映画の監督に「僕、頑張ったので」と見せた涙

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吉川明子週刊朝日
五代友厚を熱演した三浦春馬さん((c) 2020 映画「五代友厚」製作委員会)。TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開中

五代友厚を熱演した三浦春馬さん((c) 2020 映画「五代友厚」製作委員会)。TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開中

 7月に他界した三浦春馬さん主演の映画「天外者(てんがらもん)」が、12月11日に公開された。幕末から明治にかけて活躍した若き五代友厚を中心に、坂本龍馬や岩崎弥太郎、伊藤博文らが登場する青春群像劇だ。三浦さんはその五代を演じた。

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「あの時代の若者の躍動感を表現したいと考えた時に、芯が強くて凜(りん)とした美しさのある春馬くんなら、時代劇初主演にも挑戦してくれて、新しい五代像を世に出してくれるのではと思いました」

 そう話すのは田中光敏監督。打診したところ三浦さんは快諾したという。クランクインは2年後となったが、三浦さんは資料を読み込み、薩摩藩士だった五代を演じるため殺陣師に師事するなど、準備を進めていたという。

「現場入りの時、彼は『殺陣を長い間頑張って勉強しました』と言ってくれました」

 三浦さんは着物姿での殺陣に加え、薩摩弁や英語を操る五代という人物を見事に演じきった。

「彼の英語力が素晴らしくて、『英語のほうがリアルになる』と、日本語を英語に変えた場面があったほどです」

 一方、坂本龍馬役の三浦翔平さんや、岩崎弥太郎役の西川貴教さんら共演者には、こまやかな気配りを見せていたという。

「繊細な方という印象でしたが、実際は包容力があって、気遣いができて、現場では座長として場を引っ張ってくれました。『いや~、いいシーンが撮れましたね』なんてプロデューサーみたいなことも言ってくれて」

 完成した映画を見ずにこの世を去った三浦さんだが、五代が大阪商工会議所で大勢の商人を前に熱弁を振るうシーンだけは2019年12月に見ていた。

「春馬くんにこの場面のアフレコをお願いした時が、彼に会った最後になりました。映像を見てもらった時、春馬くんは『僕、一生懸命頑張ったので、その時の自分を思い出して感動しちゃいました』と涙を拭っていました。それだけに、彼に完成した作品を見てほしかった。悔しくてなりません」

 映画は公開3日で動員11万人を超え、37劇場の追加上映も決まるなど(12月18日現在)、好調なスタートを切っている。

「春馬くんは前向きに切磋琢磨(せっさたくま)し、最高の芝居をしてくれた。今までに見たことのない三浦春馬がそこにいるし、スクリーンの中で生き続けている。みなさんに、ぜひそういう姿を映画館で見てほしい」

(吉川明子)

週刊朝日  2021年1月1‐8日合併号


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