ホテルのような「カリタスみわ」の食堂(提供)
ホテルのような「カリタスみわ」の食堂(提供)

 個室3食付きで月7万円から年金で暮らせる――。そんな「ケアハウス」を本誌が2度にわたり特集してきた。第3弾となる今回は、中部・関西のおすすめケアハウスと選び方のコツ。介護福祉士でライターの栗原道子氏がレクチャーする。

【中部・関西編】年金で暮らせる「ケアハウス」はこちら

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 実際、施設を選ぶ際は入居前にケアハウスを訪問し、自分に合うか、よく確認することが肝心だ。

 見学もせずに「施設は自由に行動できない」と思い込んで敬遠するシニアも多いが、ケアハウスはじめ最近の高齢者ホームは、かなり選択肢が豊富だ。

 そして夏祭り、敬老の日、クリスマスなどのイベントで地域に施設を開放しているときに見学することをおすすめする。入居者らの笑顔、職員の言葉かけや態度などが見えるし、質問もできる。お昼に食堂で食事をしている風景を見ることができたら、入居者の全体像が垣間見える。衛生面では、玄関の様子からわかることも多い。傍らにある車いすがほこりをかぶっていた、客用スリッパは履きつぶされた古いもの、トイレを借りたら便器は掃除されていたけれど、床にはシミがいっぱい、などでわかる部分も多い。

 地域に向かってオープンな施設は筆者が知る限り、清潔度の高いところが多い。名古屋の「ケアハウスほっとはっと」では、入居者たちがマスクをつくって地域住民に役立ててもらう、空き缶を集めている小学校に協力するなど、施設から地域へ発信をしている。

 豊橋の「すこやかの里」は春になると芝桜のピンクの花が絨毯のように咲き、近隣の人の楽しみにもなっている。

 アウトドア派には一山丸ごと雑木林という場所にある、長久手の「ゴジカラ村」がおすすめだ。自立支援と介護の混合型の静岡の「カリタスみわ」はホテルのような食堂とリビング、寝室、和室がある広々とした夫婦部屋もあり、年に1度の外泊ツアーも人気だ。自慢できる終のすみかをぜひ、見つけてほしい。(ライター・栗原道子)

週刊朝日  2020年11月27日号より抜粋