教師を追い詰めるのは仕事だけではない。保護者からのクレームや、管理職や先輩、同僚からのパワハラやいじめに苦しむ教員からの訴えがあとを絶たない。首都圏のある教職員組合には、教師からのSOSがひっきりなしに飛び込んでくる。

 つい最近も、学校に妊娠を報告すると校長ら管理職に「異動してくれ」と言われたと訴えがあった。組合に所属する教師はこう話す。

「団塊の世代の退職と入れ替わりで入ってきた世代が今30代で、まさに出産ラッシュ。教師はブラックな職業というイメージが広まって人手不足なうえに、コロナ禍で猛烈に忙しいから、病気や妊娠中の教師は追い出したいんでしょう。だから、異動願を強制的に書かせるんです」

 世間に認識されていない小学校教師たちの窮状。多くの負担を教育現場に押しつけている現状を、私たちは見直さなければならないようだ。(本誌・永井貴子)

週刊朝日  2020年11月20日号