今年は難しい。新型コロナウイルスの影響もあって、選手のコンディションだって一定ではない。チームの功労者という選手に球団がクビを言い渡すことは難しいが、今年は球団の収益は大幅に減っている。本人との話し合いの中でどう折り合いをつけるか。昨年は阪神と鳥谷敬の間でいろいろあって退団することになったが、球団からすれば苦渋の決断をしなきゃいけない時期にさしかかっている。各球団とも収入減に合わせ、来季の年俸総額もどうしても抑えなければならない。いつもと違ったオフになるかもしれない。

 この原稿を書いている時点で、優勝争いはセ・リーグの巨人に続いて、パ・リーグもソフトバンクの優勝が近づいてきた。左腕の笠谷など、工藤監督が我慢して起用してきた選手が優勝争いの中で活躍している。ロッテは救援陣の駒の多さを考えても逆転があるかなと考えていたが、新型コロナウイルスの大量陽性者が痛い。コロナが優勝争いの分岐点の一つとなってしまうのが、ちょっとやるせない。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2020年11月6日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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