それから20年近くが経過した今、当時と同じ筋書きでのドラマ化は元よりハードルが高かったのかもしれない。リメイクするにあたって脚本を書き換える選択肢はなかったのか。
「設定やセット、映像のアングルなどがあまりにも似すぎていて、本国サイドとの間で、改変はだめというような制約があるのでは。リメイクに挑戦した姿勢は評価しますが、今やるのであれば、東京五輪のために作った競技場でロケをするとか、もっと日本独自の、時代をとらえた演出が欲しかった」(池田さん)
池田さんはセットの“チープさ”についても言及する。
「唐沢さんが所属する組織の本部が狭いんです。オリジナル版の本部はもっと広く、捜査員たちは常に早歩きで移動していて、それが緊張感を生んでいた。日本版は狭いゆえに急いで歩く必要がなく、いまいちピリッとしません」
ただ、物語が盛り上がるのはこれからだ。
「オリジナル版は衝撃の結末で、次シーズンがあることを予感させました。日本版でどう料理するか。巻き返しへのお手並み拝見というところです」(池田さん)
(本誌・秦正理)
※週刊朝日オンライン限定記事