金原ひとみ「人はセックスのときにいろいろなことを考えている」  (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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金原ひとみ「人はセックスのときにいろいろなことを考えている」 

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仲宇佐ゆり週刊朝日
金原ひとみ (撮影/写真部・掛祥葉子)

金原ひとみ (撮影/写真部・掛祥葉子)

fishy

金原 ひとみ

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 既婚者に思いを寄せるライター、気性の激しいインテリアデザイナー、夫の浮気に悩む編集者の3人の女性がナンパの街となった銀座のコリドーで酒を飲む。金原ひとみさんの新刊『fishy』(朝日新聞出版/1500円・税抜き)の主人公たちである。

 小説の題名のfishyとは、疑わしい、うさんくさいという意味だ。

「食えない奴らが集まって何か話してるよ、という感じが出るといいなと思って。お互いに批判し合える大人でありながら、どこか危うい、足元がおぼつかない女性たちを描きたかったんです」

 それぞれに闇を抱える3人はプライベートに踏み込み過ぎない、友達と言えるかどうかの微妙な距離を保っている。金原さんは年齢を重ねる中で、気に入らない人だと思いながらも、たまに飲むぐらいなら楽しい友達がいることに気づいた。

 小説では3人が順番に語り手となり、新婚の男性との不倫、年下との恋愛、夫婦関係、そして3人の連帯が明かされていく。

 編集者の弓子は強がってばかりで恋人のいる夫に気持ちをぶつけることができない。

「弓子は頑固おやじみたいでいやな奴だなと思っていたんですけど、内面から彼女を書いていくうちに、自分が崩れるのがわかっているから自身を守る生き方をしていることが見えてきました」

 一人称で書くにつれて愛着がわく経験は今までにもあったそうだ。

 作中ではセックスの場面がたびたび描かれる。

「人はセックスのときにいろいろなことを考えていると思うんです。意外に冷静だったり、言葉が渦巻いていたり。情報量の多いシーンを逃すのはもったいない。関係が行き詰まるとセックスも行き詰まるように、頭だけで考えていると出てこない感覚があると思う」

 2012年から6年間、金原さんは二人の娘とパリに住み、いろいろな人と出会った。

「風穴が開いたというか苦手意識を持っていた人たちと付き合う機会になりました。人と話したり、その存在自体に影響を受けたりすることは、いくつになっても刺激的だし、自分を知っていくことでもある。人とどういう関係を持っていくかは、私にも大きな課題ですね」


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