同寺がオンライン法事を本格的に始めたのは7月から。コロナで会食に集まったり参拝したりするのが難しくなり、自宅にいながら参拝や法事ができるようにした。

 法事にかかる時間は30分程度。料金は冥加金として3万円以上としている(10月以降は5万円から)。スマホでも利用でき、パソコンの貸し出しも受け付けている。月10件前後の申し込みがあり、利用する人は尻上がりに伸びている。

「オンラインでも通常の法事と同じように行うよう心がけています。ご家族の顔も見えますし、やりにくい点はありません。福祉施設に入居していたり病気だったりする方たちにとっては参加しやすくなります。コロナが収束した後も続けていきたい」(秦さん)

 同寺はオンライン法事とは別に、本堂を定点カメラで映したライブ映像や法話を流す動画配信サービスも行っている。コロナ禍をきっかけに、寺や僧侶の取り組みも変わりつつあるようだ。(本誌・池田正史)

週刊朝日  2020年10月2日号

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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