大阪市では広い範囲で駅が浸水するが、天王寺駅や難波駅などがある上町台地は浸水リスクが低い。大阪城も台地の上にあり、昔からリスクの少ない場所とされてきた。淀川の決壊や地震による津波で水が襲ってきても、台地を囲うように浸水すると見られている。

 大阪市でも、戦後にできた埋め立て地では浸水の可能性が低い。大阪メトロ中央線のコスモスクエア駅やニュートラムのトレードセンター前駅は大阪湾沿いにあるが、浸水リスクはない。ユニバーサルシティ駅は浸水リスクがあるが、USJ自体はかさ上げされており、浸水リスクがない。内田さんは指摘する。

「駅は危険でも、近くの施設が安全ということはある。自分のよく使う駅は危険な場所と安全な場所を確認しておくとよい」

 しかし、ゲリラ豪雨による内水氾濫や中小河川の氾濫など、不測の浸水リスクもある。いつ水害に遭っても大丈夫なように対策を取ろう。(本誌・吉崎洋夫、松岡瑛理)

週刊朝日  2020年9月18日号より抜粋

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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