「新しい宴会」を提案する高知県幹部ら (c)朝日新聞社
「新しい宴会」を提案する高知県幹部ら (c)朝日新聞社
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 コロナ禍で新しい生活様式が広がるなか、各県でさまざまな対策が取られている。編集部では全都道府県にアンケートを実施。飲食店や飲み会事情にも県民性が現れているようだ。

【アンケート結果】独自の対策や県民性をうかがわせる取り組みを紹介!

 外食の飲酒代が全国1位と、飲んべえ王国・高知県。「献杯・返杯」という独特な酒文化がある。献杯とは目下の人から目上の人に杯を差し出す“あいさつ”で、杯を受けた人は酒を飲み干す。さらに杯を相手に返して返杯を続け、「土佐の宴席には終わりの合図がない」(酒造関係者)。

 コロナ禍では濃厚接触そのものなので危ない。県はそこで中止を促すわけでなく、独自のガイドラインを作成。ビールを注ぐときは同じ瓶を交換しない、テーブルの距離は約1.5メートル離すといった対策をとり、宴席文化を後押しした。知事ら関係者約100人による公開宴席も実践してみせた。

 とはいえ、「お酒を飲み始めたらコロナなんてすっかり忘れてしまう。宴席で距離を保つのも、なかなか難しいんじゃないですかね。アハハハ……」と先の酒造関係者。

 滋賀県は、新しい生活様式を「滋賀らしい生活三方よし」として提唱する。「県民の心の憲法」(県民性に詳しいエディットハウス代表取締役の岩中祥史さん)とされる近江商人の「三方よし」の精神に基づくものだ。

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