加藤茶さんの妻・加藤綾菜さんは、夫の介護を見据えて資格取得の勉強中。介護の仕事にもチャレンジする意欲を見せています。作家の林真理子さんが、加藤さんの介護への思いを聞きました。
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林:バラエティーのオファー、いっぱい来るでしょう。
加藤:いえ、ぜんぜんです。私、テレビの仕事よりも、介護のボランティアを始めようと思ってるんです。コロナの影響で延びてしまってるんですけど、ヘルパー1級(実務者研修)の実習を受けて、それから介護のボランティアを始めて、そっちのほうで必死に頑張っていこうと思っています。
林:ふーん、すごいな。
加藤:前から介護のヘルパー2級(初任者研修)は取ってたんですよ。加トちゃんがパーキンソン症候群になったときに、リハビリの人とか看護師さんとかがやってくれてるのを横で見てるだけで何もできなかったので、加トちゃんのために何かできないかなと思って、そうだ、食事だと思って、最初は食育の資格を取ったんです。でも、最後まで添い遂げるのには絶対介護だと思って、それでヘルパー2級を取ったんです。
林:「旦那の介護なんかしたくない。おむつの世話なんか絶対イヤ。その前に別れちゃう」とかいう人、世の中にいっぱいいるけど、そうは思わなかったんですね。
加藤:母性なんですよ。おむつしたら可愛いんじゃないか、というぐらいなんです。
林:えっ! こんなに若いのに、なんでそこまで。
加藤:おかしいですか?
林:いや、素晴らしいです。うちの夫も加トちゃんよりやや下ですが、妻にはないがしろにされ、娘には嫌われ、うちの中で孤立してるんです。それが突然可愛くてきれいな女の子があらわれて、こんなに尽くしてくれて、「おむつしたらもっと可愛い」なんて、なんかおとぎ話みたい。
加藤:「俺は死ぬまで芸人でいたい。お前の世話にはならないから」と言って、この1、2年、高木ブーさんと仲本工事さんと加トちゃんとで「こぶ茶バンド」として全国ツアーをやってるんですよ。「目の前のお客さんが笑ってくれると、『8時だョ!全員集合』の生の感じを思い出すから、これを一生続けたい。舞台のソデで死にたい」というのが加トちゃんの元気の源になってるんです。だから介護のお世話にならないように、健康寿命を延ばすように、いま一緒にウォーキングしたり、いろいろ運動をしてるんです。