岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、愛知県篠島の「ねこと漁師」です。

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 三河湾に浮かぶ篠島。僕が監督を務め、昨年公開した映画「ねことじいちゃん」の撮影をした佐久島の隣の島だ。原作者の「ねこまき」さんは、この篠島をモデルに漫画を描いたと聞く。

 港の漁具置き場に、赤いバイクに乗った男性が来ると猫が顔を出す。しらす漁師の彼は、漁具の中からブラシを取り出し「トラ」と呼んだ。野良だがブラシを買ってやったという。抱きかかえると暴れるトラだが、彼が毛をとかし始めると気持ちよさそうにじっとする。そこに本物の「ねことじいちゃん」がいた。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2020年8月7日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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