「アクリル板越しにメイドさんにかしずかれて嬉しいかっていうのはよくわかりませんけれども……ふふふ」。都のイベントにやたらメイドさんを利用する百合子ですが、メイド喫茶そのものにはまるで理解はなさそうです(イメージ)。

「アクリル板越しにレジでお会計したらお釣り銭間違えちゃうかもしれませんけれども……ふふふ」。それよりアクリルとマスクのせいで、レジ袋のいる・いらないのやりとりの声が非常に聞きづらいです。「いらない」って言ってんのに入ってること多々。もう!!

「アクリル板越しに投票しても、投票率は上がらないでしょうけど……ふふふ」。たしかに。あと4年、ほんとに都政をまっとうするんですかね、百合子は。来年、やってるかな都知事。

「アクリル板使ったり、ディスタンスとって無理やり開催しても、世界各地で広まってワクチンの普及も定かじゃない以上、オリンピックやっても楽しいかっていうのはよくわかりませんけれども……ふふふ」。これはむしろ思いっきり口を滑らせて頂きたいところです。思ってないはずはないんですから。言っちゃえ言っちゃえ、百合子。

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。YouTube 「春風亭一之輔チャンネル」ぜひご覧ください! アーカイブもいろいろあります

週刊朝日  2020年7月31日号

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春風亭一之輔

春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/落語家。1978年、千葉県生まれ。得意ネタは初天神、粗忽の釘、笠碁、欠伸指南など。趣味は程をわきまえた飲酒、映画・芝居鑑賞、徒歩による散策、喫茶店めぐり、洗濯。この連載をまとめたエッセー集『いちのすけのまくら』『まくらが来りて笛を吹く』『まくらの森の満開の下』(朝日新聞出版)が絶賛発売中。ぜひ!

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