──「夫婦の世界」は英国作品が原作ですが、韓国版で異なる部分は?

 英国の作品は、主人公の女性の揺れ動く心理にフォーカスされて、一枚のハンカチから悲劇が始まるシェークスピアの「オセロ」のような印象。韓国版は、さまざまな関係性に重きが置かれています。女性の社会進出の難しさや一見、自由に見える韓国社会にまだ見え隠れする家父長制度など韓国社会の矛盾も赤裸々に描かれていましたから、韓国ではそんなところも多くの人から支持されたのではないかなあと思います。

──「夫婦の世界」は日本で放送が始まったばかりです。みどころは?

 それぞれが隠し持っている本能が剥き出しになった時、実はそれを知ることで世間は明るくなるのではないか、そんな話を監督や脚本家としました。俳優みなが全力を尽くした本当に優れた作品。特に主人公ソヌを演じたキム・ヒエ先輩の演技に注目していただければ。キム・ヒエ先輩は撮影が進むにつれて息をしているだけでソヌでしたから。

──日本のファンの方にひとことお願いいたします。

 これほどの反響をいただいてとてもうれしいです。耳野郎同様、「夫婦の世界」でのキム・ヨンミンも応援していただければうれしいです。

(聞き手/在ソウル・菅野朋子)

週刊朝日  2020年7月24日号