新潟県長岡市の花火=渋谷さん提供
新潟県長岡市の花火=渋谷さん提供
人気移住地ランキング(2019年) (週刊朝日2020年7月3日号より)
人気移住地ランキング(2019年) (週刊朝日2020年7月3日号より)
ふるさと回帰支援センターでの主な移住相談イベント(6~7月) (週刊朝日2020年7月3日号より)
ふるさと回帰支援センターでの主な移住相談イベント(6~7月) (週刊朝日2020年7月3日号より)

 新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに変わった働き方と連動して、「住まい」を見直す動きも広がっている。モバイルアプリ事業を手がけるIT企業「フラー」社長、渋谷修太さん(31)は5月17日、ウェブ上でこう宣言した。

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「故郷の新潟に骨を埋める覚悟を決めました」

 学生時代、IT企業が密集する米国のシリコンバレーを訪れ、職住近接の環境に魅力を感じた。2011年、茨城県つくば市で起業。17年には新潟市にオフィスを開設し、月に1、2度程度、現地に足を運ぶようになった。緊急事態宣言ですべての打ち合わせがウェブ会議へと移行したことで、

「これなら東京でなくても仕事を続けられる」

 と決心がつき、6月5日に新潟市に転居した。

「景色はいいし、ご飯もおいしい。地元でなじみがある飲食店にお金が落とせるのは幸せ」

 また、5月31日に38道府県の計138団体が名を連ねた「オンライン全国移住フェア」には、全国から173人が参加した。主催者で、山口県周防大島町で移住相談に応じる泉谷勝敏さんは言う。

「コロナをきっかけに、移住を考えている方は確実に増えていることを実感しました。秋には第2弾の開催も検討しています」

 実際に移住してみたい街があれば、まずは電話やオンラインなどで気軽に各自治体に相談してみよう。例えば、前出の渋谷さんが引っ越した新潟県には、U・Iターンコンシェルジュ事務局があり、移住希望者に対して仕事先や住居の情報提供をしている。子どものための奨学金制度などを設けてもいる。また、新潟市には空き家のリフォーム費の半分を補助(上限100万円)する制度などがある。

 新潟県産業労働部しごと定住促進課の担当者は、こう話す。

「新潟県では(さまざまな職場の人が同じスペースで仕事をする)コワーキングスペースやレンタルオフィスなどの拠点を運営する民間事業者に必要な経費の一部を助成するなど、起業・創業事業に県を挙げて取り組みたいと考えています。こうした制度も積極的に活用してほしいです」

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