「安倍さんは自分に何かあった時は、総理を麻生さんに託したいと考えている。麻生さんとの話が多いのは、それだけ安倍さんが参っているということ。1時間くらい話していたこともある。内閣改造をするにしても幹事長人事をどうするかという話にもなる。二階さんを敵に回すことはできないし、情勢は不安定です」

 最近、安倍首相と菅義偉官房長官の関係がギクシャクしているとも伝えられる。二階氏が菅氏とともに石破氏を担ぐのではないかという臆測もあるが、政治ジャーナリストの野上忠興氏はこう指摘する。

「国民人気の高い石破氏ですが、桜を見る会やコロナ対応で折に触れ安倍首相に苦言を呈していることもあり、党内支持に難があります。総裁選で仮に二階氏、菅氏が推したとしても国会議員による決選投票に持ち込まれると苦しくなります。安倍首相も河井夫妻案件で内閣支持率のさらなる下落は不可避。1億5千万円の提供問題で党総裁としての説明責任が問われます。国会は何とかしのいだかに見えますが、先行きは厳しい状況が待っています」

「ポスト安倍」は混迷の度合いを深めている。(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日2020年6月26日号