故人の遺志が尊重されない場合も…本当にあった悲しい相続 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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故人の遺志が尊重されない場合も…本当にあった悲しい相続

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※写真はイメージです (GettyImages)

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70~80代が元気ないまのうちにやっておきたい「3つの見える化」 (週刊朝日2020年5月22日号より)

70~80代が元気ないまのうちにやっておきたい「3つの見える化」 (週刊朝日2020年5月22日号より)

 自分に万が一のことがあっても、残された家族がうまくやってくれるだろう──いまや、そんな考えは“幻想”に過ぎないという。リアルな相続の現場でいま、何が起きているのか。ライターの森田聡子さんが報告する。

【70~80代が元気ないまのうちにやっておきたい「3つの見える化」とは?】

 昨年から今年にかけ、改正された民法(相続法)が相次いで施行されている。

 相続法の改正は、約40年ぶり。40年前といまとを比べると、被相続人の年齢(平均寿命)は男女とも10歳近く上昇し、さらに3世代同居が激減して高齢者の独居や夫婦のみの世帯が主流になるなど、相続を取り巻く状況は大きく変わっている。

 5年後の2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に移行し、日本は5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎える。世代間扶養のバランスも崩れ、高度経済成長時代に構築された従来型の日本の社会保障制度は見直しを迫られている。

 三菱UFJ信託銀行で1万件を超える相続案件を扱った、『教科書には書いてない相続のイロハ』(日経BP)の著者・小谷亨一MUFG相続研究所所長は言う。

「こうした社会状況の変化により、相続の現場にも新たな課題が生じている」

 かつて相続といえば、親が決めた跡継ぎ(多くは長子)が自宅不動産や預貯金などの財産を丸ごと相続する「本家相続」が主流だった。70~80代の中には依然、こうした意識が強く残っており、さらには高齢になると相続の準備を面倒に感じることもあって、「自分の死後のことは跡継ぎに全部任せる」といった人が多い。

 関東在住の50代男性も、亡父から事業や母親の世話など一切合切を託された。昔気質の父親の経営を非効率と感じていたこともあり、代替わりを機にIT化や従業員のリストラを進めたが、これには母親やきょうだいが「お父さんの考えとは違う」と猛反発。同居していた母親は弟の元に身を寄せた。母親に同調する取引先も多く、良かれと思って行った改革は頓挫、家業を畳む寸前まで追い詰められた。


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