東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
プロ野球とJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」の会合=4月3日 (c)朝日新聞社
プロ野球とJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」の会合=4月3日 (c)朝日新聞社

 開幕延長が確定したプロ野球西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、選手に対してその時間を有効に使うよう呼びかける。

【写真】プロ野球とJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」の会合

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 プロ野球は6月以降の開幕となるみたいだ。4月下旬か5月上旬に次なる開幕目標日を設定するらしい。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が発令されており、その効果が感染者数に出てくるのは、4月下旬を待つ必要があるという。その意味で、何度も会議のたびに開幕日をずらし、選手に負担をかけるより、1カ月間状況を見極めるようにした判断は賢明だ。

 斉藤惇コミッショナーが政府の緊急事態宣言を受け、4月7日にファン、監督、選手、関係者へメッセージを発信した。「事態は楽観できる状況にはありません。専門家の先生方の力をお借りしながら、ファンの皆さまと一体となり、歓喜に満ちたパフォーマンスを披露できる日を再び実現すべく努力して参ります」。ただその言葉をもっと早く聞きたかったな。開幕延期を最初に決めた時点で、ファンの方々を意識した強いメッセージを出してほしかったと考えるのは私だけであろうか。

 プロ野球とJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」の専門家チームも指摘していたが、プロ野球には「社会的責任」もある。おそらく、6月に開催できた場合でも、無観客でのスタートとせざるを得ないだろう。いくら観客数を制限したとして、球場の出入り口となるゲートには、どうしても密集が生まれる。球場内のお店は営業するのだろうか。その時の販売方法にも問題は出てくる。観戦したお客さんは真っすぐに帰宅してくれるであろうか。最寄りの駅前の居酒屋で集合!なんてことまで規制はできない。そこまで考えて開催を模索する必要がある。

 今は日本全国から野球が消えている。少年野球、中学、高校の部活動も、現在自粛している。高校は各都道府県の春季大会が次々と中止となっている。大学もリーグ戦開催が難しくなっている。少年少女からプロ野球選手まで「考える時間」が生まれている。

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東尾修

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東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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