コロナが終息に向かえば、景気刺激策を実施する。公共事業を増やし、緊縮財政で傷んだ教育機関に投資する。国立大学の学費も無償化すべきでしょう。

 それでも、60兆円規模の財政出動には届かない。そこで、「消費税ゼロ」で約28兆円の減税です。そもそも消費税を10%にしたことで、2019年10~12月期のGDPは、年率換算で7.1%も減りました。ならば、景気刺激は昨年10月と逆のことをすればいい。

 そうすると、「財源はどうするんだ」と言う人がいる。でも、その考えは間違っています。政府は「国債」として国家の経済に必要な量の通貨を無制限に発行することができます。もちろん、これは理論上の話で、現実にはできません。市中に現金があふれると、インフレが起きるからです。

 では、年10%に届くようなインフレが起きたらどうすればいいか。答えは簡単で、消費を抑えればいい。消費税率を上げ、公共事業を抑制する。日本は20年以上の緊縮財政でデフレを引き起こした。すでに証明されているではないですか。

 安倍首相は来年9月末に党総裁としての任期が終わりますが、経済対策が失敗すれば再選どころではない。そうなると、やるべきことは一つ。“消費税ゼロ”を大義に解散総選挙を断行し、国民に信を問うことです。

(本誌・西岡千史)

週刊朝日  2020年4月17日号