21世紀は“インスタ映え”建築 隈研吾が“求められる建築”を語る (2/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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21世紀は“インスタ映え”建築 隈研吾が“求められる建築”を語る

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隈研吾(くま・けんご)/1954年生まれ。東京大学建築学科大学院修了。コロンビア大学客員研究員を経て、90年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。2009年から東京大学教授。これまで20カ国を超す国々で建築を設計し、日本建築学会賞、フィンランドから国際木の建築賞、イタリアから国際石の建築賞ほか、国内外でさまざまな賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。 (撮影/写真部・小山幸佑)

隈研吾(くま・けんご)/1954年生まれ。東京大学建築学科大学院修了。コロンビア大学客員研究員を経て、90年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。2009年から東京大学教授。これまで20カ国を超す国々で建築を設計し、日本建築学会賞、フィンランドから国際木の建築賞、イタリアから国際石の建築賞ほか、国内外でさまざまな賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。 (撮影/写真部・小山幸佑)

隈研吾さん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・小山幸佑)

隈研吾さん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・小山幸佑)

隈:ありがとうございます。今、「インスタ映え建築」っていう言葉があって、建築の一部を写真に撮っただけで「ああ、あの建物だ」ってわかる方向に建築デザイン全体が変わってきてるんだよね。

林:へぇ~、そうなんですか。

隈:僕の学生も、「インスタ映え建築」という修士論文を2人も書いてるけど、20世紀の最初のころの建築って、教科書に載ってる小さい写真でも全貌がわかるような、シルエット重視の建築が傑作と言われてたんだけど、21世紀になってからはインスタ映えするためにディテールが特徴的なことのほうが重要になってきた。プロのカメラマンじゃなくて、自分で写真を撮ってその建築らしさが伝わるためには、全体より部分が大事になり始めてる。

林:なるほど。私も全国各地に行くと隈テイストを感じて、富山のガラス美術館とか、木の素晴らしい図書館……、あれはどこだっけ。

隈:梼原かな、高知の。

林:そうです、そうです。素晴らしい図書館でした。長岡(新潟県)の市役所も、毎年花火を見に行くたびに行きますけど、あそこも非常におもしろい空間で、市役所なのにほっとするというか、お役所に来た感じがしなくて、駅から誘導されていく感じが素晴らしいなと思って。

隈:今までの市役所とか公共の建築って、僕的に言うとマッチョな建築で、役所の権威を象徴する感じのつくり方なんだけど、長岡の場合、主役は建物じゃなくて、真ん中の広場。べつに市役所に用がない人も、あそこの広場に遊びに来ればいいという考えです。そしたらほんとにいっぱい遊びに来ちゃって。

林:素晴らしいですね。だけど今、「建ててほしい」と依頼が来ても、「予算が足りない」とか「もったいない」とか言う人が必ずいて、つくりづらくなってるということはないですか。

隈:それがすごく状況が変わってきて、20世紀の戦後のシステムの中では、建築をつくることは基本的にいいことだったから、有名な建築家を呼んできて目立つものをつくれば誰も批判しなかったんだけど、今は違う。まずコストが高かったら絶対にダメだし、選ぶ過程でも首長さんが自分で指名するなんてことはできなくて、全てコンペなの。長岡の市役所も指名じゃなくて、厳しい審査があったんだよ。


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