防犯ビデオに映った事件直前の青葉容疑者(提供)
防犯ビデオに映った事件直前の青葉容疑者(提供)

 昨年7月、京都アニメーション放火殺人事件から半年が経過した。死者39人、負傷者33人という前代未聞の事件の被害者の数人は、今も入院中だ。事件現場で大やけどを負い、治療中の青葉真司容疑者。京都府警は早ければ、1月末にも逮捕する方針を固めた模様だ。

 事件直後から、ずっと入院している青葉容疑者だが、事件に関しての記憶は鮮明だという。

「青葉容疑者は、なぜ事件を思い立ったのか、その動機からどう計画したかなどは明確に記憶しており、捜査員にも説明している。何度も繰り返し、同じことを聞いているが、説明はブレていない。動機については『作品をパクられた』と話し、特定の京アニ関係者の名前をあげて『腹が立った』と言っている」(捜査関係者)

 そして、計画についても『以前から、ガソリンを携帯用の缶に入れて火をつけようと考えていた』『誰かに反撃されたら用意した包丁で刺すつもりだった』などと供述しているという。

「青葉容疑者は、自分中心の身勝手な性格。自分の主張を一方的に好き勝手に言っているが、事件についての証言は一貫している。そういう面では、逮捕に支障はない」(前出の捜査関係者)

 一方で、一命はとりとめたが、やけどの後遺症はかなり重いという。今も自力では立てないので、トイレに行くにも介助が必要。食事も、自分で食べることができないという。

 逮捕となれば、警察の留置場もしくは拘置所に収容される。一般的な留置場や拘置所はバリアフリーではなく、介護ベッドや介助者もいないという。また、青葉容疑者は重篤なやけどを負っているので、環境の変化による体調不良、感染症なども懸念される。

「例えば、ごはんを食べるのも、口元に運んでもらってパクリと食べるような感じだな。車いすにも、介助者に抱えてもらって乗り込み、リハビリに行く。一人では何もできない状況だ。今も体のあちこちに残るやけどの跡が目立つ状態。留置場や拘置所では、対応しきれないことも考えられる。逮捕はするが、収容するのは、医療設備の整った刑務所など特別な措置となることもありうる」(別の捜査関係者)

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1人で食事できない青葉容疑者は…