マイナンバーカードによるポイント還元(マイナポイント)をPRする総務省のホームページ
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2020年の主な予定 1/2 (週刊朝日2020年1月17号より)
2020年の主な予定 1/2 (週刊朝日2020年1月17号より)
2020年の主な予定 2/2 (週刊朝日2020年1月17号より)
2020年の主な予定 2/2 (週刊朝日2020年1月17号より)

 給料や年金はあまり増えないのに、消費増税もあって生活は苦しい。私たちは節約術で対抗するしかなさそうだが、見逃せないのがポイント還元だ。

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 クレジットカードや電子マネーなどキャッシュレスで決済するとポイントがもらえる制度は、6月30日まで続く。中小の小売店や飲食店なら5%分、コンビニや飲食チェーンなどでは2%分が戻ってくる。毎日の買い物で積み上げていくと、月数千円は節約可能だ。

 低所得世帯向けのプレミアム付商品券や、次世代住宅ポイント制度などは原則3月に終了する。消費増税の負担緩和のためだと称するこれらの制度は、政府が強制徴収した私たちのお金を配っているようなもの。取り忘れないようにしたい。

 政府は9月から、マイナンバーカードを持つ人へのポイント還元(マイナポイント)を始める。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんはこう助言する。

「少しでも負担がやわらぐのならカードは作ったほうがいいですね。写真入りの身分証としても使えます。身分証が必要なサービスはほかにも増えています」

 医療や介護などの自己負担は増える傾向で、高齢者にとっては厳しい状況だ。身近なところでは、7月からプラスチック製レジ袋の有料化が義務付けられる。エコバッグなどを用意して出費は少しでも抑えたい。金融機関でも一定期間出し入れがないと、年間1200円程度の口座管理手数料をとるところが増えている。携帯電話の店舗などでも、相談するだけで料金をとるところも出てきた。

 ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは、こうした動きは広がるという。

「今までタダだったものが有料になるケースが増えるでしょう。人手不足もあって、店頭で無料相談に応じてもらえなくなるかもしれません。どこでもネットでのサービスを充実させているので、苦手意識があっても慣れておきましょう」

 相続やお金の手続きも変わる。残された妻が自宅に住み続けられる「配偶者居住権」の運用が4月から始まる。自筆の遺言書を法務局に保管する制度も7月10日に始まる。紛失や改ざんの恐れがなくなり、家庭裁判所のチェックを受ける「検認」も不要だ。さかのぼってお金を請求できる期間は「原則5年」になる。

 国や企業は私たちの暮らしに関わる仕組みを、ころころ変えてくる。本誌やネットで情報収集し、後悔しないようにしてほしい。(本誌・池田正史)

週刊朝日  2020年1月17日号

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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