■勝負は持ち時間をどう使うか

 最後に、受験生の冬休みの過ごし方についてお話しします。今回はお正月はないと思ってください。わが家も年末年始は、おせち料理もなく、お正月らしいことは何もしませんでした。年越しそばを食べ、しめ縄を飾っただけ。家族がみんなで受験生を応援する気持ちが大切で、そのことが受験生を精神的に支えます。

 初詣は、いまさら行く必要はないでしょう。人混みは疲れるうえ、風邪をうつされる心配もあります。お守りや合格祈願は祖父母にお願いしてください。

 受験対策としては、この時期はセンター試験対策だけで十分。2次試験で気になる科目がある場合、センター試験のためにもなりますから、毎日1問だけと決めてやるのはアリです。ひたすら過去問や予想問題集を解き、知識をひとつひとつ確実にしましょう。マークシートの用紙を塗りつぶすのは時間の無駄なので、直接問題集に答えを書き込んでください。

 親にぜひやってほしいのが採点です。センター試験の問題集の採点はけっこう面倒なのです。答えが全部数字のためずれたりしますので、親が採点すると子どもの負担はかなり軽減できます。採点している間に、子どもは次の問題を解くといった流れ作業にすると、かなり早く問題を済ませることができますよ。この時期は持ち時間をどのように使うかが勝負ですから。親が採点し、間違えた問題の解答には丸を、その解説は色鉛筆で囲み、斜線を入れて目立つようにすると子どもが見直すときにわかりやすいです。時間があれば、お子さんが何度も間違う問題をノートにまとめてあげましょう。入試の直前に役立ちます。

 私は4人の子どもの中学受験、大学受験を経験しましたが、今となっては懐かしい思い出です。あのときは本当に大変でしたが、子どものそばでいろいろ話しながら楽しく手伝いました。センター試験の本番まで、あと少し。「今日一日を精いっぱい頑張る」ことを本番まで毎日続ければ必ず合格へとつながります。受験生とその親御さんの頑張りを私も応援しています。

(構成・庄村敦子)

週刊朝日  2020年1月3‐10日合併号