送検される朝比奈久徳容疑者(C)朝日新聞社 
送検される朝比奈久徳容疑者(C)朝日新聞社 

 指定暴力団「神戸山口組」の幹部、古川恵一組長が兵庫県尼崎市内でヒットマンとされる朝比奈久徳容疑者に射殺された事件が計画的なものだった可能性が浮上している。

【写真】本誌が入手した銃の写真

 六代目山口組、ナンバー2、高山清司若頭が10月に出所後、神戸山口組の「幹部」5人のうち、4人が集中的に狙われているという。

 11月18日、本市内で神戸山口組の幹部が刃物を持った2人組に襲われた。この幹部は左腕、腹を切られて2週間のけが。熊本県警の逮捕されたのは、六代目山口組の組員2人だった。

 次に襲撃されたのは11月19日、札幌市内で神戸山口組幹部の自宅兼事務所に乗用車が突っ込んだ。その後、金属製のスコップでシャッターなどを壊す男を駆けつけた警官が発見。現行犯逮捕されたのは、六代目山口組の組員一人だった。

 そして11月27日には古川組長の射殺事件が起こった。

 朝比奈容疑者はこう供述していた。

「尼崎市で古川組長を撃った後、別の神戸山口組の組長を狙うために京都へ向かった。組長宅へ向かう途中で京都府警に逮捕された」

 朝比奈容疑者が京都で狙っていたとされるのも、神戸山口組の幹部だったという。

「神戸山口組は組長を筆頭に、若頭、副組長などと続き、直系組長の中で幹部というポジションの人間が5人いる。うち4人が狙われている。狙われた4人の共通点は、組員の数が少なくて警護が手薄だ。そこを、組員も多く、資金力豊富な六代目山口組が、集中的に狙ったのではないか」(捜査関係者)

 さらに朝比奈容疑者が古川組長射殺した状況の詳細が明らかになった。

 尼崎市で親族が経営する居酒屋に古川組長は毎日のように顔を出し、調理などを手伝っていた。そこに客として、朝比奈容疑者が入ってきた。

店で注文などのやり取りしている隙に、回転式拳銃で古川組長を撃とうとしたが、銃弾が出なかったという。

 乗ってきた車を移動させたいので、駐車場の場所を教えてほしいなどと言葉巧みに古川組長を呼び出し、車に積んであった自動小銃を持ち出し、連射して殺害したという。

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