「トマトにも、内臓脂肪を増やしにくくする働きがあることが最近の研究でわかってきています。あわせて摂取したいのは、やはり食物繊維が豊富な野菜です。いまはスーパーでもコンビニでも、千切りキャベツなどのカット野菜はいろいろ売っています。そういったものを利用すれば、本当にあっというまにできてしまうスープです」

 スープは三つとも食物繊維たっぷりで、ローカロリー、低糖質。

「朝、昼、晩、いつ食べていただいてもいいスープです。スープはからだもあたためてくれますから、冬の食習慣として活用していただきたいですね」

 最後に、内臓脂肪を落とすための簡単エクササイズを教えてくれたのは、糖尿病内科・ダイエット外来専門の工藤孝文医師だ。用意するのは椅子だけでいい。そしてその椅子に7秒かけてすわり、1秒で立ち上がる、を繰り返すのだ。

「この“7秒かけてすわる”エクササイズを行うのは、NEAT(Non‐Exercise Activity Thermogenesis)を増やすためです。NEATとは、階段の上り下りや家事など、運動とは言えないような日常生活の活動によって消費されるエネルギーのこと。激しい運動はなかなか続かないこともありますが、こうした簡単な動作であれば、ご高齢の方でも続けやすいでしょう」

 7秒かけてすわると、太ももやお尻、おなか、背中などの大きな筋肉も鍛えられる。そして筋肉量が増えると基礎代謝(生命維持のために用いられる、必要最小限のエネルギー消費)も増え、太りにくいからだづくりにつながるのだ。

「実は筋肉量が増えると、血糖値も上がりづらくなるのです。なぜなら筋肉は多くの血糖を必要とする組織なので、筋肉が大きくなれば血中からの糖の取り込みは増えますよね。そのため血糖値は上がりづらくなり、内臓脂肪とも縁を切ることができるのです」

 それではエクササイズを始めてみよう。まず、両足のつま先は少し外側に向けて、背筋をスッと伸ばして、かかとに重心をかけるようにして椅子の前に立つ。そして両腕を肩の高さまで上げる。

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